IT社員3人組によるリレーブログ

某IT企業に勤める同期3人が、日常で思ったことを記録していきます (twitter: @go_mount_blog)

【AWS】【Azure】ハイブリッドクラウドって?

どうも、Keiです。

先日夏バテで一日ダウンしてしまいました。みなさんも水分補給など気を付けてくださいね。

 

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今日は、最近ますます進むクラウド化と、従来からあるオンプレの両立的なサービスであるハイブリッドクラウドについて説明していきたいと思います。

また、ハイブリッドクラウドに対するITジャイアントであるマイクロソフトのAzureと同じくアマゾンのAWSの取り組みについて紹介していきたいと思います。

 

ハイブリッドクラウドって?

NIST(アメリカ国立標準技術研究所、標準化団体ですね)ではハイブリッドクラウドについて、下記のように定義を行っています。

 

(Hybrid) cloud infrastructure is a composition of two or more distinct cloud infrastructures (private, community, or public) that remain unique entities, but are bound together by standardized or proprietary technology that enables data and application portability..

 

つまり、ハイブリッドクラウドとは2つ以上のプライベートクラウド(オンプレ)やパブリッククラウドから成り、データ連携がシームレスに行われるものであると言っています。

これは、本来クライアントにとってITインフラは元々オンプレでもクラウドでも場所は別にどうでも良くて、下の3つが満たされれば良いという考えに基づいていると考えられます。

 

  • 可用性が高い
  • 管理(運用)しやすい
  • 価格が安い

 

つまり、ハイブリッドクラウドとはクラウドで解決しきれなかったクライアントのITインフラへの要望を満足させる方法の1つということです。

 

ハイブリッドクライドのメリットとは?

さて、従来からあるクラウドで実現できないこととは何でしょうか?

1つずつ見ていきましょう。

 

セキュリティの問題

クライアントのITインフラをクラウド化する上で最も大きな課題として挙げることができるのが、このセキュリティの問題です。

顧客データをクラウドに上げることを嫌がるクライアントは非常に多いです。そのため、クライアントのデータはオンプレで自社で持ち、それ以外のデータはクラウドで持つという形をとる必要があるため、ハイブリッドクラウドを採用しているクライアントが多い印象を受けます。

 

一方でオンプレでITインフラを持っていたとしても、当然社内の情シス部でセキュリティを担保する必要があります。また、外部のセキュリティ会社にアウトソースするとしてもベンダ選びなど、専門の技術者がいないと不安は消えないでしょう。

 

そのため、最近ではAWSなどに代表されるように、クラウド化する際のセキュリティ基準を公開しているクラウドを利用する動きもあります。

例えば、AWSではISO 27001などのプロセスのセキュリティ基準などの多くのセキュリティ基準に合格していることをアピールしています。

 

なんか、AWSのPR記事みたいになたいですね笑

 

Bigdataなどデータ分析の需要とコストの問題

 もう一つ、ハイブリッドクラウドを後押しする理由の1つとして、最近各社で取り組みが進んでいるAIを利用したBigdataの分析があります。

Bigdataの分析では、膨大な情報をAIに学習させることで、AIのモデル化の精度を上げていきます。(AIについてはKoheiの下の記事を参照)

 

go-mount.hatenablog.com

 

ここで、クラウド環境を利用していると問題になってくるのが、ローカル(手元)にある膨大なデータをクラウドに挙げる際の通信料とサーバ側での処理料金です。

プランにもよりますが、サーバ側の処理料金は従量課金制となっていて、データが多ければ多いほど、ランニングコストが高くなります。

 

そのため、Bigdataを利用するクライアントで5年以上など、長い利用期間を想定している場合は、オンプレもしくはハイブリッドクラウドを採用した方がコスト的に安く済む可能性があります。(もちろんオンプレですと初期費用が高額なので、ある程度長く利用しないと旨味が出てきません。)

 

このように、ハイブリッドクラウドを使用すると、膨大なデータを利用したAI学習はオンプレで行い、他のサービスはクラウドのものを使うように、必要に応じてオンプレとクラウドを使い分けることができます。 

 

ITジャイアントにおけるハイブリッドクラウドへの取り組み

最後に、マイクロソフトAWSでの、ハイブリッドクラウドに対する取り組みについて紹介したいと思います。

 

AWS (アマゾン)

結論としてはアマゾンはハイブリッドクラウドに対してマイクロソフトほど、重きを置いていない印象を受けています。

アマゾンでは「クラウドファースト」という思想を持っており、ITインフラの将来像は全てのインフラがクラウド化され、オートスケールされる状況を考えています。そのため、ハイブリッドクラウドに関しては、当初から動き出しは良くない印象です。

 

もちろん、ハイブリッドクラウドを実現するためのオンプレとクラウドVPC gatewayと呼ばれるVPNネットワークで接続するような機能やセキュリティの保障は行っています。

 

Azure stack (マイクロソフト)

一方、マイクロソフトではクライアントからのハイブリッドクラウドの需要が出てきた頃から、大きくハイブリッドクラウドに先手を打っています。

皆さんもAzureと呼ばれるマイクロソフトのPaaSサービスはご存知かと思いますが、マイクロソフトでは、2017年後半にAzure stackと呼ばれるハイブリッドクラウドのためのPaaSサービスをリリースしました。

 

Azure stackとは、上で挙げた「顧客データ」や「膨大なデータを利用したAI学習」をオンプレで実現し、なおかつパブリッククラウドにあるAzureのサービスとも連携が取れるというサービスです。

 

少し具体的に説明しますと、Azure stackを契約したクライアントにはマイクロソフトが用意し、設定したサーバを使用します。

 

もしくは、ISPなどのキャリアのデータセンタにサーバを置いて、そこまでVPNで接続するという方法もあります。この場合でAIの学習をする場合は学習元のデータもキャリアのデータセンタに同様に保存してある必要があります。

でないと、膨大なデータをローカルからキャリアに移す間がボトルネックとなってしまい、場合によってはネットワークの強化をしなければ・・なんてことになってしまうからです。

 

 

 いかがでしたでしょうか?

今回はハイブリッドクラウドのメリットや、ITジャイアントの取り組みについて紹介しました。

 ではでは。