IT社員3人組によるリレーブログ

某IT企業に勤める同期3人が、日常で思ったことを記録していきます (twitter: @go_mount_blog)

若者の仕事論 〜5年目社員が転職前に一筆

どうも、ITコンサルタントのShoheiです。

実は先日転職活動を終え、6月から肩書きがソリューションアーキテクトになることになりました。

今日は、丸四年務めた1社目を卒業する記念に、現時点で思う仕事論・就活論を記していきたいと思います。

仕事は勉強じゃない

仕事は勉強じゃありません。

失敗をしたり、スキル不足が露呈したりした時に、「すみません、勉強します...」という人がいますが、僕はそれを聞くと「いや、仕事してください」って思います。

勉強と仕事の違いは、2つあると僕は思っています。

仕事と勉強の違い①

勉強は自分のためにします。仕事は他人(多くの場合はお客様)のためにします。後者は利害関係(感謝)が発生しますが、前者は必ずしも発生するとは限りません。実際、受験勉強で大成功したとしても、大学側から感謝されることはないでしょう。

仕事と勉強の違い②

勉強は一人でもできます。仕事は一人ではできません。上述の通り必ず他人(お客様)が存在しますし、多くの場合チームで行動をするからです。

 

仕事と勉強に本質的な違いがあるのに、仕事での失敗を「勉強します」で片付けようとするのは、少し甘いと思います。

失敗の原因が勉強不足だった、ということもあるかもしれませんが、勉強だけではなくその後の仕事でアウトプットを出さなければいけないと思います。

成功は信頼の上にある

他人から信頼を得ることは、仕事で成功する上で最も重要な要素だと思っています。

信頼ができる相手とは、一定の期間内に自分やプロジェクトをHappierにしてくれる人。

もう少しブレイクダウンすると、求めることに対して、確実にアウトプットを得られ、かつそのアウトプットを一緒にすり合わせできる人、ですかね。飲みに誘ったら断らない人、ではないです、当たり前ですけど。

自分の経験上の、社内/社外で「この人優秀だなぁ」と思った人は、絶対にレスポンスが早いです。しかも返答内容も的確で物事を前に進める発言です。僕はそういう人をすごく信頼してしまいますし、客観的にみてもその人は優秀とされている人です。

逆にこの人はあんまり、って思う人に例えば資料を共有しても、1日ぐらいたって「ありがとうございます、確認します。取り急ぎお礼まで」って返ってきて終わります。そして資料は確認されることなく終わります。

どちらが信頼できるか & どちらなら自分(やプロジェクト)をHappierにしてくれるポテンシャルが高いかというと、前者でしょう。

ちゃんと頭で考えて"仕事"をして初めて力がつく

採用面接などでよく聞かれるのは、「で、君はどんな力がある人なの?」「うちの会社にどう貢献してくれるの?」「困難乗り越えた?どうやって?」などの質問ですよね。

こういう質問にちゃんと深く答えられるのは、業務なりプライベートで、ちゃんと仕事をしてきた人だけだと思います。

中途採用の場合、多くは現職での業務での経験を問われますが、現職でろくに仕事をせず「なんとなく今の会社が嫌だから辞める」という人には答えられないと思います。

昔読んだ本で印象に残っているフレーズがあるので引用します。

世の中で本当に承認されたりされなかったりする対象は、「状態」ではなく、「行動」です。行動の結果として達成される成果こそが承認されるのです*1

重要なのは、どんなすごい企業にいた/部署にいたかという状態ではなく、どんな仕事をしたかという行動です。

優秀な企業は行動や思考プロセスを重んじた採用をしますし、だからこそ入っても活躍できる人が採れるのだと思います。

逆にあまり行動起こしてこなかったのに経歴だけで採用された人は、また次の企業でも結果が残せず「この企業は成長できない」とか言って、またさほど待遇も変わらない企業を点々と可能性もあるのではないでしょうか。

 

かといって過去の行動にいつまでも固執している人は置いてかれると思います。

僕の知っているあまり優秀でない上司は、いつも昔話を嬉々として語ります。しかも大して面白くもなければ、教訓も伝わらない、ただの思い出話です。そして残念ながら今仕事ができているかというとNOです。

これも昔読んだ本ですが、好きなフレーズがあるので載せます。

「ああで、こうで」と説明して伝わるものは弱い。

それよりも「一発で伝わってしまう何か」の方が強い*2

結局、過去の武勇伝や状態をあれこれ語るよりも、あなたがどんな行動を起こしてきて、今何ができるか、が重要です。そしてもしそれが振る舞いで一発で伝わるのが一番強いです。

コツやイベントに振り回されるな

新卒採用の時、ありとあらゆる就活イベントに顔を出して、学業や研究をないがしろにしてるにも関わらず、何か勝ち誇ったような態度をとる人がいました。

僕はそういうのがすごく嫌いでした。理由は大きく二つあります。

嫌いな理由①

就活のテクニックなんてものはないからです。

「あの就活イベントいいよ。いろんな就活のコツが学べるわ。とりあえずあの人に聞くとすごい就活のこと色々教えてくれるよ。とりまFacebookで繋がっとくといいよ。」なんてのはナンセンスだと思います。就活に特化したテクニックなんてものはなく、本質を抑えていないからいつまでもイベントに振り回されるのかと。僕は以下を押さえておくだけで就活なんてなんとかなると思っています

  • 採る側と採られる側の構造を正しく理解する
  • 自分にどんな強みがあるかを把握し、過去の行動や今後とるであろう行動を論理的に説明できるようにすること
  • 思っていることを周りに共有でき、すり合わせが可能であること

嫌いな理由②

結局企業の中のことなんて全て分かるわけがないということ。

同じ企業のセミナーに100回行ったって、OBを100人を訪問したって、自分がその企業に入ってどんな境遇に置かれるかを把握することは不可能です。入ってからもわかりません。

だから僕は、自分のやりたいことだけざっくりと決めて、なんとなく方針や文化が合いそうな企業だけ定めて、あとは縁があったところに入ろうと思っていました。

そして当時から、入ってからより詳細に世界が見えたら、力をつけて出ればいいと思ってました。むしろ当時は、大学院で研究をする立場にいたので、その最高の環境を棒に振るのはもったいない、と思って研究をすごく頑張っていました。

 

もちろん就活テクニックも情報収拾も、全否定するわけではないですし、多少の活動は有意義に働くことも多いと思います。ただ、状態を手に入れるためだけに無限に力を使って、精神をすり減らしていくのは勿体無いので、ある程度のところで切り上げて、あとは自分のために時間を使うべきだと思います。

 

そういえば就活の違和感を描いた「何者」という映画、すごく面白いですよ。

直接関係ないですが、好きな名言を記載しておきます。

人脈を広げるっていつも言ってるけど、分かるか、ちゃんと生きているものに通っているものを「脈」っていうんだよ。(中略)

見てて痛々しいんだよ、お前。*3

健康に働くことは大前提

最後です。働いて不健康になることは百害しかないと思います。

賛否ありますが、極めて一時的な事情によって一時的に不健康になるというレベルなら、まだ分からなくはないです。

ただ、仕事が原因で、身体的/精神的に常に不健康になる場合は、やり方か業務を変えることにも頭を回した方がいいと思います。というか経験上、やり方をまず考え直した方がいいです、激務という言葉に陶酔して逃げるのではなく。

「うちらイケイケだから水曜日なのにオールしちゃったぜ」

「え、なんで終電で帰っちゃうの?うちらイケイケ系じゃん」

「昼ごはん?食べる暇ないよー。逆にそんな時間あるの?!(@喫煙所)」

みたいな人周りによくいますが、この人たちは仕事でちゃんとパフォーマンス出るんでしょうかね。

体力ではなく頭脳でスマートに働いて、かつ仕事によって達成感を得て精神的健康度をあげる、というのが僕の中では理想です。

まとめ

転職前に、仕事や就活に対して思っていることをまとめてみました。

途中の引用にも登場した以下の本、仕事や勉強を考える上ですごくおすすめです。数年前に読みましたが、就活前にもう一度読みました。

おとなの進路教室。 (河出文庫)

おとなの進路教室。 (河出文庫)