IT社員3人組によるリレーブログ

某IT企業に勤める同期3人が、日常で思ったことを記録していきます (twitter: @go_mount_blog)

XaaSとは、PRaaSの流れへ

どうも、ITコンサルタントのShoheiです。

今日はXaaSについて少し理解を深めてみましょう。

SaaS/PaaS/IaaSのおさらい

以前、クラウドについて説明した記事で、SaaS/PaaS/IaaSについて説明しました。

これはクラウドに対する基本の分け方で、ユーザに何を意識してもらうか、逆に言うとユーザに何を意識しなくてもいいようにしてあげるかを示すものです。

SaaS(Software as a Service)を例にざっくり絵を描くと以下にようになります。

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SoftwareはもちろんなんらかのHW上で動いているわけですが、プロバイダから提供されているSoftware以下の部分は、意識しないでいいですよ、Software部分だけサービスとして提供しますよ、がSaaSの意味でした。

機能ベースでこの考え方を適用したXaaS

上記のSaaS/PaaS/IaaSは、XaaSのXにSoftware,Platform,Infrastructureを代入したものと理解していればいいのですが、

昨今、XにS,P,Iといった提供領域ではなく、特定の機能を代入したサービスとしてhのXaaSが登場しています。

例をあげていきましょう。全てカッコ内の機能クラウドで利用でき、それ以外の部分は意識しなくてよくなると思ってください。

  • Analytics as a Service (解析・統計を行うために必要な機能)
  • Logging as a Serivce(ログファイル収集するために必要な機能)
  • Ransomeware as a Service (悪質なランサムウェアを開発することなくお金を払えば使える機能 ※犯罪者がこの機能を利用してサイバー攻撃を仕掛けるイメージ)
  • Testing as a Service(検証に必要な機能)

厳密にはそれぞれ上記はSaaSやPaaSなど分類されたりするんですが、明示的にどの機能をクラウドとして提供するかを示すのに以下のようなXaaSと表されてるわけです。

これについて掘り下げるために少しだけ妄想を膨らませてみましょう

さて、少し妄想を膨らませるために非ITの例を出して考えてみましょう。

家政婦の中の、料理と掃除の機能を切り出した料理 as a Service, 掃除 as a Serviceについて考えてみましょうか。

  • 料理 as a Service
  • 掃除 as a Service

今までの例に従っていうと、家政婦部分を意識せず、料理してくれる機能と掃除をしてくれる機能だけ意識すればよいサービスになります。

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言葉を選ばずに言っているので、この例だと「 なんだと、人の部分を意識しないなんて人権侵害だ!奴隷じゃないんだぞ!」と言われてしまうかもしれないのですが、あえてこの例をあげたのは、理由があります。

ユーザから家政婦さんの存在が見えなくなったということは、逆に家政婦さんが存在しなくてもよくなったということです。ユーザから掃除の要望があがった際に、片付いた部屋を納品すればいいのであれば、例えばルンバにやらしちゃってもいいんです。

要するに、提供する機能の裏側でやっていることがユーザからほとんど見えなくなるわけなので、結果がユーザの期待するものになるなら、中の仕組みはどうやってもいい、ということです。

個人的にはこの仕組みがあるからこそ、以下のような流れが進むと思っています。

Professional as a Serviceへ

毛色が違うので、あえて上であげたXaaSの例に含めなかったのですが(クラウド上で提供されるソフトウェアのようなものではないため)、OaaS(Operation as a Service)という考え方をNTTが発表しています*1

これは、ITのOperationについてはサービスとして提供します、ユーザは中身を意識する必要がないよ、というもの。

今までは、Operationをお手伝いします、とプロバイダ側がいうと、どういう人の体制を組んで、どういう監視項目を仕込んで...と細かにお客さんと握っていたのですが、結果だけ提供するサービスとして扱うのであれば、その中身はユーザで意識する必要はありません。

まさに上記の料理や掃除の例と同様で、実際の中身が人間だろうが機械だろうが構わない、というものです。 ※NTTが自動化して結果だけ提供するサービスやってるように思えないけど

こういうのを、個人的にProfessional as a Service(PRaaSとでも呼ぼうか)と呼んでいて(これは著者の造語です)、

このように専門性の求められる機能や、プロにアウトソースしてしまった方が効率的な機能は、どんどんサービス化が進んでいき、人材を育てたりツールを作り込むのではなくのではなく、サービス利用で済ます、という時代がくるのではないかと推察しています。

まとめ

XaaSについて説明し、Professional as a Serviceと称した今後のサービスの流れに関する個人的推察を述べました。